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zoom RSS 大学生選手へ:ポールのハマーリング・推進力を生むダブルポール、スーパース ケーティング

<<   作成日時 : 2017/04/12 17:22   >>

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ウィンターシーズンが終了し、現在多くの選手が、リフレッシュ期間中に、来シーズンに向けたオフトレ計画を練り始めている頃だと思う。シーズン中の、慢性化した疲労を取りながら、リクリエーショナル・スポーツを楽しんだり、軽いジョグ、山でのポールウォークをする選手、或いは既にローラースキーを始めている選手も中にはいるだろう。


学生選手であろうと、全国大会で上位入賞を狙う高い志を持つ選手、或いは、いずれオリンピックや世界選手権代表になり、国際舞台で活躍したいと言う大きな目標を持つ選手であるならば、この時期から、ただ「体を動かしたことだけで満足する」トレーニングではなく、「レースに直結した」結果につながるトレーニングを行って欲しいと思う。


雪国の強豪中、高の殆どが、元クロスカントリースキーの選手だった顧問の先生や、地域のスキークラブから派遣された外部指導者に管理され、選手自身が自主トレをする、しない、の話は別として、技術、走力、筋力、心肺機能等の強化が考えられた、指導者から与えられたメニューをどちらかと言えば「受動的」にこなしている。


ところが大学生になると、中・高時代とは対照的に、指導者不在の大学もあれば、指導者がいても、選手個人の自主性が慮られ、選手本人の競技へ対する向き合い方、取り組み方で、たった1シーズン分のオフトレ期間約8か月で、選手間で天と地ほどの差が出てしまう。大学生が如何に「能動的」に「レースに直結した」トレーニングを日々、コツコツと積み上げて行けるかが、シーズイン時に明暗を分ける。


大学は、高校までの「受動的」な学生生活とは、環境も学業のスタイルも、日常生活そのものも、大きく異なる。やりたいことがあれば、やりたいだけ、本人の時間の使い方、遣り繰り次第で、どうにでもなる。


「レースに直結した」、「結果を引き出す」トレーニングは、その言葉の響きからしてもタフでハードなイメージが沸くと思う。が、これは「レース」、「結果」に徹底的にこだわった、的を絞った「効率的」なトレーニングを指す。


この時期から、コントレ1つをとっても、惰性で行うのではなく、自分が体を意識的に動かしている動作には全て、意味があること、それを意識することが高い志を持つ、エリート学生選手には求められる。


オフシーズンに入ったばかりの今、既にローラースキーの練習を始めている選手に向けて、「レースに直結した」、「結果を引き出す」ローラースキーの技術課題をここで紹介したい。


ポールのHammering down (ハマーリングダウン)が既に出来ている選手は国内ではまだ少ない。ハンマーで、釘などを真上から振り下ろし、打ち込むと言う意味があるが、近年のダブルポール(DP)(前後移動)、スーパースケーティング(左右V字移動)は共通して、このポール動作が推進力の鍵になっている。


以下の動画(言語は英語)では、OL, WSC 等のメダリストを含む、世界のエリート選手のDPの「ポールの動き」は、共通してこの「ハマーリング」(垂直に雪面・地面に対して打ちつける)であり、又ポールを突いた最初のインパクトより、突いた直後から「ポールを後方に押す動作中」に、「最大のパワー」が生み出され、「押し切る間際」にその「パワーはどんどん薄れて」行くことを紹介している。これは、複数の研究者のリサーチで明らかにされている事実だ。





上り坂などでDP, スーパーを、このハマーリング動作で滑るのは物理的に出来ないが、平地や緩い斜度のだら坂で、この動作を行うと以下の図の様なメリットが確認できる (選手への指導で過去に利用したメモの一部)。

画像




〇:ハマーリング(ポールを垂直に振り下ろす)をすると、強い抵抗が生まれる。ポールを垂直に振り下ろした位置から、後方に振り切る「パワーの幅」が、ポールを斜めに振り下ろした場合より、大きい。


X:斜めの角度にポールを突くと、ハマーリングより、抵抗が少なく楽にポールを後方に振り切れるが、「パワーの幅」が、ポールをハマーリングした場合より、小さい=力が抜ける。


実際に、ハマーリングの威力を体感するのは、指一本で出来るので、是非以下の動画を参考にして欲しい。クッションや掛け布団の上など、ある程度厚みと、引っかかりやすい物の上で試すと、非常に分かり易い。





動画で見ても分るかと思うが、指を垂直にクッションに突き刺した状態で、指を払うと、かなりのひっかかり感=抵抗=パワーを感じることが出来ると思う。一方、指を斜めにクッションに突き刺した状態で、指を払うと、払う長さ(移動幅)が少なく、力もすっぽ抜けた様に感じる。


以前、ポールを突く際は、突いた直後は可能な限り、後方まで押し切れ・・・と指導されることが、国内では主流であったが、現在の最新テクニックでは、ポールは、腰を通過したら押したスピードに比例して、その反動で素早く前に降り戻す(ハマーリング)が有効とされている。その最大の理由は前述の通り、研究データで「押し切る間際」にその「パワーはどんどん薄れて」行くことが分かっているからだ。パワーが薄れて行くのに、無理をして押しの動作をするよりも、素早く両腕を前に振り戻し、次のパワーを生み出すことの方が効率的だからだ。


ハマーリングのポール動作は、筋力を要する。強い体幹が必須となるのでこの動作をマスターする為には、同時進行でコアの徹底強化も行う。その際、クロカンに不要な筋力トレーニングには意味が無い。クロカンの動きに特化した筋力強化が重要になってくる。レースペースを意識したピッチで、レース時の動作に類似した筋トレを行うことが、最も有効となる。


ポールのハマーリング動作以外にも、推進力を生む滑りで求められるのが柔軟な足首の使い方。


よく指導者の多くが「腰高」と言うが、個人的にはこの言葉は誤解を招き易いと思っている。腰高と言うと、若い選手の中には、棒立ちになることで「腰高」を実現させようとし、かえって重心が上になり、バランスが不安定になるどころか後傾になり、しいては尻落ちになり易い。生み出したエネルギーも、進行方向ではなく、頭上↑に抜けて、板に乗って行くことが出来ない。


実は足首の角度が45度ぐらいに、しっかり維持できていると、妙な力みをせず、リラックスした状態なら、クロカンで求められる理想の前傾と、尻落ちは防ぐことができる。


まだポールのハマーリング動作、柔軟な足首使いができていないと感じる選手はこの時期から、軽負荷のローラースキーのトレーニングにおいても、課題を徹底的に意識して、ただ○○分滑ったことに、満足するのではなく、中味の濃いトレーニングを終始行えたかどうかに満足感を見出して欲しい。


限られた時間は有効に使う。トレーニングに、学業に、そして勿論、徹底的に楽しみも追及する。大学生活、何事もメリハリを大切に。






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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
突然のコメントを失礼致します。いつもブログで勉強させていただいております。
今回の投稿で足首の角度を45度くらいに維持する、というお話があったのですが、そのために筋力トレーニングなどは必要でしょうか。それとも、慣れれば自然にそのポジションで維持できるようになるものでしょうか。
お時間のある時にご返事いただけると幸いです。
大学でクロスカントリースキーを始めたもの...
2017/04/14 14:02
足首の適切な角度の維持には、柔軟性が求められます。この件に関しては筋トレよりも、柔軟性を高めるストレッチがお勧めです。又、足首の角度は滑走時に柔らかく、しっかり曲げることが出来ているか、常に意識をすることが重要で、本人が直そう、向上させよう、と言う強い意思とその為の努力を実際にしなければ…と、思います。定期的に仲間内で動画を取り合ってフォームを確認することも、お勧めします。適切な角度で足首が曲がると、初動負荷の動きにつながりやすい、それが一番のポイントです。頑張って下さい。
Blythe
2017/04/14 22:54

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