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zoom RSS 大会と大会の合間のトレーニング・コンディショニング 〜米国チームの場合〜

<<   作成日時 : 2016/12/31 19:21   >>

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W杯の1ピリが12月18日のフランス、La Clusaz大会を最後に終了し、現在多くの選手達は今日から始まる Tour de Skiの準備に余念がない。日本国内でも、今月中旬から本格的に大会が始まり、26、27日は北海道の音威子府で全日本選手権が行われていた。


日本国内の学生、社会人選手の多くは、年明け直後に次のレースが控えているが、レースとレースの合間のトレーニングや、コンディショニングで苦労をした経験や、悩む選手もいるのではないだろうか・・・。


今の時代、W杯エリート選手のオフ期のトレーニング方法や、シーズン中のレースの模様などは、簡単に動画サイトで閲覧が可能で、情報量が充実している。しかしながら、世界のエリート選手が、レースとレースの合間にどの様なトレーニングや、コンディショニングを行っているかについては、情報は案外限られている。


ノルウェーを拠点に活動しているフリーランスのジャーナリスト、Aleks Tangen氏が、米国ナショナルチームの選手に、今季W杯Lillehammer Mini Tour 直前に、レースとレースの合間のトレーニング、コンディショニングについてインタビューを行い、その記事をFasterskier に寄稿している。


米国ナショナルチームのヘッドコーチ、Matt Whitcomb によると、米国チームの選手達は、一般的なW杯レース(週末の土、日の2試合)の2日前は通常、午前に90〜120分のスロー走(スキー)、午後は、ストレングス・セッションを行っている。選手によっては軽いジョグ程度の場合もある。


水曜日にストレングス・セッションを行うと、次のW杯レースまでに(通常土曜日)、丸2日、リカバリーの時間を作ることができる為、大抵、高負荷のインターバルトレーニングを実施すると言う。


しかしながら、Lillehammer Mini-Tourの時の様に、レースとレースの間が短かったり(Lillehammer Mini Tourは金曜日から3日間の日程で行われた)、次のレースが平時より長く連戦が続いたりする場合は、米国チームはリカバリーに十分な時間が取れない為、ストレングス・セッション(メインはスピード重視のインターバル)を省き、各選手それぞれが、疲労が溜まらない程度のスピード・セッションを工夫して取り入れている。


米国チームの Sadie Bjornsenは、故障の為、十分なトレーニングが積めぬまま、不安を抱えてシーズンインをしていたのだが、Lillehammer Mini Tour の2日前は、ロング走をしながら、コース上のテクニックの切り替えが必要な場所や、自身がスピードのギアチェンジを想定している場所に限って、スピードを取り入れ調整をし、不調から抜け出しつつある。

Lillehammer Mini Tour第2戦5K FRで優勝し、その後も好調を維持、強豪選手の仲間入りを果たしているJessie Diggins も、Mini Tourの2日前はEasyペースで90分走をして調整を行った。


通常のW杯レース時と同様、次のレース前はあれこれ考えたりせず、ひたすらリラックスすることと、その日、その日でやるべきことに専念すると言う。リラックスしつつも、コンディションを向上させる為、Lillehammer Mini Tourが行われた週は、丸2日前の火曜日にL3 (Level 3 Intensity: 最大でもHR85%程度の強度) で5分走を1本、その後、Low Levelで4分走X 4本を行ったと言う。


次のレースを控え、コンディショニング(トレーニング)をしながら、体をリラックスさせる最も有効な方法は、自分の体の声に耳を傾け、体が発する不調サインに敏感になり、適時、適切な対応をすると言うことだ、とDiggins。もし、朝起きた時に例えば安静時の脈拍がいつもより高い場合や、体がしんどいと感じた時は無理をしないことだ。そして常にコーチと密なコミュニケーションを取り、最善の調整を行うこと。


現在のDigginsの年間トレーニング量は、約750時間だと言うが、トレーニング時間の長さばかりにこだわるのは危険だと注意を促す。


Diggins曰く、トレーニング時間の数字が重要なのではなく、そのトレーニング時間に何をしたかが重要であり(量より質)、トレーニング時間の数字に固執し過ぎると、ジュニア選手に誤ったメッセージを送りかねないと言う。ジュニア選手に向けたDigginsからのアドバイスは、トレーニング量(時間)を増やす時には細心の注意を払うこと、そして他人より多く、長くトレーニングしたことに意味を見出すのではなく、トレーニングの中身にまず注力し、そこから徐々に体調と相談しながら、量(時間)を増やして行くと良いとのことだ。


男子チーム、Andrew Newellのレース数日前の一般的な調整方法は、通常、8分のATペースを3本の後、ショート・スピードを数本行い、レース感を体に刻み込む。しかしながら、Lillehammer Mini Tour の週は風邪による体調不良で完全休養をしたそうだ。


もし体調が良ければ、通常練習前の約45分間は4、5台のスキーテストを行い、スキーの選定が終わると、「チームメンバーと共に」約1時間集団走をする。コースの1周はMax HR の70%で走り、更にもう1周は90%で走ると言う(具体的な詳細は不明)。


NewellもDigginsと同様、次のレースへのコンディショニングで最も重要視しているのは、レース前にどれだけ良いフィーリングでいられるかだ。良いフィーリングでいる為には、十分なリカバリーが必須だと言う。


そしてこのリカバリーが、実はとても難しい。レストのタイミング、量、質から、食事、睡眠、メンタル等、リカバリーに影響を及ぼす鍵は幾つもあるが、方法は十人十色。自身の体が発する様々な体調を示すシグナルを敏感に察知できるか、そして、自分にベストなリカバリー方法、コンディショニングを知っているか、常に意識して体調管理を行っているかが、テクニック、体力向上と同様に重要だと思う。


特に高校生選手は、団体行動をすることが多く、時と場合によっては、自身の体調の変化に気付いていながら、無理をして他メンバーと同様の調整を行い、体調を悪化させることもある。常に真剣にスキーに取り組んでいる選手であれば、コーチは選手の意見を決して蔑ろにはしない。コーチとしっかり対話し、自分自身が納得できるコンディショニングができるようになって欲しい。


レースの結果は、全て、「自分自身の責任」だ。日々のトレーニングの努力を無駄にしない為にも、「自分を大切に」して欲しいと思う。








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