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zoom RSS 競技力向上には、積極性と共有精神でチーム全体の底上げ  〜アメリカ女子チームから学ぶ〜

<<   作成日時 : 2016/08/21 15:49   >>

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今年の6月中旬にアメリカのJessie Diggins (24)が、念願叶ってノルウェー女子 ナショナルチームの合同キャンプにほぼ1週間の日程で参加してきた。


世界のトップスプリンターとしての実績が有り、FISのアスリート代表も務める Kikkan Randlle は、海外強豪国のライバル選手達と友好な関係を築いているが、その恩恵をJessie Digginsを含む、多くのアメリカ女子若手選手が、オフ期にクロスカントリースキーの強豪国選手と合同でトレーニングをし、競技力が実際に向上すると言う、理想的な
形で受けてきている。


今回、Jessie Diggins がノルウェー女子と合同キャンプをする機会に恵まれたきっかけは、彼女の積極性に他ならない。


先シーズン、3月に行われた Tour de Canadaの最終戦終了時に、当時ノルウェー女子チームのコーチだった Egil Kristiansen に、数あるノルウェー・ナショナルチームのトレーニング・キャンプの何れかに、参加させてもらえないか・・・と直談判を試みた。


残念ながら Diggins が望んだ前向きな回答はその時はもらえなかったが、彼女は国を超えたトレーニング経験が、ノルウェー女子チームにとっても、アメリカ女子にとっても非常に価値があることだと、根気強く説得をした。


最初のアプローチから3か月後、ノルウェーの女子チームのコーチとして新たに就任したばかりの、Roar Hjelmesetから、Digginsが参加可能なノルウェー女子の合同キャンプのリストが、送付されてきたと言う。


1週間のノルウェー女子合同キャンプを通して、Diggins が感じたことは、ノルウェー女子のトレーニングに、強くなる為の特別な秘密は無い、と言うことだ。アメリカ女子が日頃行っているトレーニングキャンプの内容とキャンプの流れ(日程・計画)がアメリカチームが日頃行っていることと、大差無いことが、自信につながったとも本人のブログで明かしている。


画像

Jessie Diggins のスナップ写真:ノルウェーのRagnhild Haga と Maiken Caspersen Falla と共に。
Photo: Courtesy of Jessie Diggins / Fasterskier.com
Posted here only for personal use



ノルウェー女子の合同トレーニングキャンプでは、LSD(Long Slow Distance) と、L3, L4 負荷のインターバル、ストレングス、そしてスピードトレーニングを織り交ぜながら行っている。


オフシーズン中に、ナショナルチームとしての合同キャンプは計8回行われ、ナショナルチームの合同キャンプとキャンプの合間の2週間は、選手個人それぞれが、自身のプライベートコーチ(又はクラブコーチ)と共に自主トレをする。




Diggins がキャンプ参加時に、実際に行われたノルウェー女子のトレーニングメニューのサンプル:

ローラースキーによる長距離走
2時間
2時間の長距離走の3/4を消化した時点で、「1対1の直接対決」形式で、10秒間加速(スピード)を5セット入れて、トレーニングを終了。


ポイントは「1対1の直接対決」。日本国内の中・高生は、この様な形式のトレーニングも行っていると思うが、大学生選手は大学によっては、単独練習でダラダラとロング走をするだけ・・・の選手も多いので、学校の枠を超えたチーム・トレーニングを定期的に行いたい。


アメリカ女子は、ここ数年、特に北欧チームの選手との、チーム単位、個人単位の合同トレーニングのチャンスに恵まれ、プライベートでも交流を深めているが、初めから恵まれていた訳ではなく、以前はアメリカも日本同様、資金集めの苦労も経験している。


アメリカ国内のクロカン競技の知名度も、日本同様相変わらず低く、彼等の道も、依然険しいものだ。Kikkan Randallが世界への扉をまず、こじ開けて、自分が得た知識や経験、環境やトレーニングに有利に働くネットワークを、チームメンバーに惜しむことなく共有してきたことで、今まではワールドカップに参戦するだけで満足し、強豪国の選手に近寄ることさえ恐れ多く、同じ土俵では戦えるはずがない、と思い込んでいた若手選手が、世界で結果を出しているKikkan Randallと同じトレーニングをこなし、同じ様なプライベートを過ごしたりすることで、5年以上かけてこつこつ積み上げてきた結果が「今」のアメリカの下地になっている。

そして、Jessie Diggins がノルウェーチームと共に、トレーニングキャンプをするまでになった、とも言えるのだ。 特に過去2年間のアメリカ女子の成長にはめざましいものがある。彼女達がレースのスタートラインに立つ時、他国の強豪選手と互角に戦える、そして、自分達の可能性を信じる、と言うオーラを感じるが、これは5年以上前には、全く感じられないものだった。


リオ五輪で、レスリング女子の活躍は相変わらず凄まじいものがあった。残念ながら、実力者で金メダル獲得の最有力候補だった吉田沙保里選手は銀メダルに甘んじたが、今回初の五輪出場で金メダルを獲得した特に、若手日本人選手が口々に言ったのは、世界の頂点に立つ吉田選手と同じトレーニングに取り組み、彼女のプライベートの過ごし方を身近に感じたことで、自分も世界で戦えるのだ、と言う大きな自信になっていた、と言うことだ。


悲願の団体金メダルを獲得した日本体操男子も、これに同じく、世界の頂点に君臨している内村選手が、日本チームを積極的に牽引して来た。若手選手が内村選手から共有してもらった知識や経験は、若手選手にはかけがえのないものだ。そして、「日本人でもできる」と言う自信につながる点が、吉田選手にしろ、内村選手にしろ、チームメイトに与える最も大きな影響力だと思う。


クロスカントリースキーの世界にも、吉田選手や内村選手の様な存在になり得る選手が是非出てきて欲しい。クロスカントリースキーも、レスリングや体操同様、個人競技ではあるが、自身でできることには、実は限りがあること、チーム一丸となって、同じ目標に向かって切磋琢磨することが、一人で立ち向かう壁の厚さを1/3にも、1/4にしもしてくれることに、気付いて欲しいと思う。


今回のリオ五輪で、結果を残している競技団体は、どこもチーム内の雰囲気が非常に良いと感じた。中には生理的に、どうしても相性が悪い選手や、仲が良いとは決して言えない選手達もいるかもしれない・・・それでも、それぞれが、良い意味でも悪い意味でも、ライバルでお互い刺激しあって、その競技団体全体で、世界の頂点を目指しているのが見て取れて、とても羨ましく思った (これは、クロスカントリースキーの現在のアメリカ女子チームにも共通することだ)。そして、そう言った競技団体には、優秀な、ハートの熱い指導者がいることも・・・。







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