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zoom RSS 傷んだ気管支は元に戻らない:喘息・気管支喘息のアスリートは正しい治療の継続を

<<   作成日時 : 2016/08/17 11:43   >>

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Martin Johnsrud Sundbyのドーピング違反問題の報道直後に、石田正子選手がブログで、彼女自身も喘息持ちで、以前は薬を使用していたが、治療薬が体に合わず今は使用していない・・・と言った記事を掲載していた。


今回のSundbyの喘息薬の誤った使用によるドーピング問題と合わせ、この記事を読んだ喘息・気管支喘息持ちの選手や、その保護者の方々が、喘息・気管支喘息の治療薬の使用に対し、否定的な印象を持ったり、特に「軽度」の症状のある選手が自己判断で薬の使用を止めたりするのは、選手としてのキャリアだけでなく、長い人生で後々大きな問題を抱えることにもなり兼ねない。


喘息・気管支喘息に限らず、健康上の問題を抱えている場合、個人の素人判断は極力避け、医師に診てもらい自身に最もあった治療をすることが非常に重要だと思う。


喘息には、幼少期から発症する小児喘息と、大人になってから突然発症する(大人)喘息・気管支喘息がある。前者は正しい治療を受けていれば、いずれ完治すると言われ、後者の完治率は1%と非常に低い。その為、悪化を防ぐこと、そして、治療継続をすることで、ある程度の改善と現状を維持することに重点が置かれている。若い患者の場合は特に、正しい治療を「継続」すれば、競技選手でもパフォーマンスへの影響を最小限に抑えることもできる。


喘息や気管支喘息の症状がある選手は、自身の肺活量の数値が高いと、それだけでつい、安心してしまう傾向がある。だが競技者として、一般的な肺活量以上に重要なのは、最初の1秒間に吐き出した空気の量で、この数値が悪いと言うことは、選手にはかなりのハンディとなる。



詳しくは、喘息の正しい知識と治療についての総合サイトチェンジ喘息!を参照。
http://naruhodo-zensoku.com/zensoku/test.html



喘息・気管支喘息の患者は、冬季競技の場合はクロスカントリースキー選手が最も多く、夏季競技の場合はトライアスロン選手が最も多いと言うデータがある。最大の理由は両者共に、有酸素系・持久系競技で、気道への負担が非常に大きい為と言われる。


喘息や気管支喘息になる原因には色々あるが、厳寒や気温の温度差等も原因の1つと言われ、その為冬の厳しい自然環境下で極限まで体を追い込むクロスカントリースキー競技には、この症状で苦しむ選手が多いとされる。


私は36歳に突然、トレーニング中に未だかつて経験したことの無い呼吸困難に襲われ、その後も何度かその症状が起こり、暫く専門医の検査や通院を繰り返して、最終的に「気管支喘息」と診断された。しかし、自身が知る重度の喘息患者の友人と比較したり、検査結果でも比較的軽度との診断から、処方されたステロイド吸引薬は、体調が良ければ使わないにこしたことは無い・・・と勝手に思い込み、継続的な治療を怠っていた。


残念なことに、最初にお世話になった呼吸器科の医師は、気管支喘息とは「そもそも何なのか?」そして、継続治療の重要性についての説明が十分では無かったように思う。


私のこのような勝手な思い込みが続き、昨秋、生まれて初めて風邪から気管支喘息を併発し、止まらない咳を止める為に、発作用の吸引薬を口にしたくてもそれさえもできず、呼吸困難で窒息死するのでは?と言う恐ろしい経験をした。


激しい咳、気管支の閉塞による患部の重い違和感、痛みが一週間以上続き、眠れない夜が続いた。思わぬ気管支喘息の悪化で、トレーニングは休まざるをえず、控えていたシーズン最後のレガッタ・レースにも出場することができず最悪だった。


現在お世話になっている呼吸器内科の医師から、この時はっきりと言われたことは、人間の気管支は一旦、傷んでしまうと、元に戻らないと言うこと。


薬を使用せず、喘息の症状を放置して咳をした時にかかる肺や気管支への負担の方が、ステロイド吸引薬などの喘息・気管支喘息用薬を使用して体にかかると負担より重く、後々、年を取った時に後悔することになると、明言された。


クロスカントリースキーの学生選手の中には、突然呼吸器系の問題を抱えるようになり、その原因がわからず、そのまま一先ず様子を見続けていたり、病院で検査を受けたり、治療をしても改善が見られず、結局何もせずに辛い症状を我慢している選手もいるようだ。


競技で結果を出すためには、日頃からレースを意識し、追い込んだトレーニングの積み重ねが大切だが、酸素を吸って吐く、スムーズな呼吸が基本の競技で、呼吸器系の問題が大きなハンディになるのは言うまでもない。


喘息・気管支喘息の薬も多種多様で、私自身は例えば、Marit Bjorgenが治療薬として使用している「シンビコート」は、口に含むだけで気持ち悪くなるので、医師に自分にあった別の薬を処方してもらっている。


患者は、合わない薬や治療法であれば、その旨、医師に伝える権利がある。治療に効果が見られない場合は、はっきりとその旨を伝え、別の治療法の選択肢があり、決して直ぐに回復しないからと投げやりになったり、諦めたりせず、自身の健康問題としっかり向き合うことが大切。


本来、医師は患者の症状や薬の相性等を考慮し、その患者に最も適した薬を処方してくれるはずであり、医師の指示に従い、正しい量、頻度を厳守して、自己判断による誤った薬の使用をしなければ、症状は完治はせずとも、緩和、向上、維持が可能となることを知って欲しい。


私自身は、昨秋の発作による体調不良から、医師の指示を守って薬の服用を継続することで、気管支の定期テストの数値は確実に小さな幅ながらも向上が見られ、その後、発作らしい発作も起こらず、今シーズンは充実した日々が送れていると思う。


画像

(自身の場合、毎日1回使用するステロイド吸引薬と、発作時に発作を緩和する即効性の吸引薬、そして毎晩1錠の薬の服用で、気管支喘息のコントロールができている)



8月も既に終盤に入ろうとしている。日本時間で今朝、シンクロナイズドスイミングで銅メダルを獲得した選手が、「練習は本当に裏切らない」と、インタビューに答えていたのが印象的だった。「練習は裏切らない」、は、ただ、体を動かして、練習を「したつもり」の練習では、結果を出すことはできない。 毎日12〜15時間以上の、インタビューを受けた選手が「地獄のようだった」と表現した練習。世界の頂点を目指す井村コーチのもと、日々積み上げてきた練習が、彼女達を裏切らなかったのだと思う。


裏切られない練習をする為には、健康がまず基本だろう。井村コーチもその重要性を分かった上で各選手の健康面にも相当配慮していたと聞く。


自身の体を常にベストコンディションに保つ努力、アスリートなら当たり前のこと。当たり前のことが出来ているだろうか・・・。









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